■本書の特徴
つねづね「四間飛車には急戦と穴熊の併用が有効」と語る著者が、アマチュアのために具体策を披露する定跡書です。本書はその急戦編で、4五歩早仕掛け、4六銀左急戦(斜め棒銀)、棒銀の「3大急戦」について、徹底的に掘り下げました。
特筆すべきは、「これにてよし」と打ちきられてきた数々の局面について、「本当にそうなのか」と鋭く踏み込んでいく姿勢です。一手違いの終盤を勝ちきるテクニックも豊富に取り入れ、とっておきの研究を披露することもたびたびと、さまに新感覚の定跡書となりました。
かなり高度な読み方になりますが、たとえば、本書を『四間飛車の急所』シリーズと読み比べてくださいませんか。居飛車党と振り飛車党の感覚の違いを楽しむこともできます。
各章冒頭に、最重要局面と、著者の見解をまとめた「渡辺明の結論」を掲載。流れの整理に役立てください。
■著者からひとこと
四間飛車に対しては急戦と居飛車穴熊がよく指されていますが、両方とも指せるようになれば、作戦の幅は大きく拡がり、勝率もグンとアップするはずです。振り飛車に対して急戦を挑めば安全勝ちは期待できませんので、本書では終盤の攻防にも踏み込んで深く解説しました。アマチュアの皆さんは、これでバッチリだと思います。──渡辺明
■目次
第1章 4五歩早仕掛け(全14テーマ)
素直に△5四歩 角で取る後手の狙い 本筋の飛車切り 先に△7四歩 最強の玉頭銀 玉頭銀を狙う 角頭を狙う 手損戦法 6八金型へ 最強の応手 先手から角交換 本線へ 銀引きはどうか 角で取ると
第2章 4六銀左急戦(全11テーマ)
基本の手順 2筋を突き捨てる 主流の6九金型 やはり2筋を突き捨て △3六歩の戦い △3七歩の戦い 最前線へ 最新形とその結論 準急戦 ▲3七銀上はどうか 駒組みはどうか
第3章 棒銀戦法(全12テーマ)
棒銀戦法 △4五銀の戦い △3三桂の戦い △4四歩の戦い △4二飛の戦い 加藤流の戦い 最新の棒銀対策 最善の駒組み 6五歩型 最新の▲3五歩 駒組みはどうか 先に△4二角