■本書の特徴
矢倉・加藤流は、しばしば歴史的大一番で採用され、記憶に残る名勝負を演出してきましたが、これまでほとんど体系的に語られたことがありませんでした。本書は、その矢倉・加藤流の定跡化に挑む渾身作です。
まずは「プロローグ」で4六銀・3七桂型との違いを説明し、加藤流の基本的な狙い筋を示します。そのうえで、これに対抗する後手の作戦を大きく4つに分け、それぞれについて順に掘り下げていきます。
絵に描いたような手筋一発で決まる局面は少なく、むしろ推したり引いたりの駆け引きが増えます。それだけに、現在の力戦新時代に通じる要素も多く、一定以上の棋力を目指す方にはぜひとも読んでいただきたい内容です。
何を基準に考え、どうやって一手一手将棋を創り上げていけばいいのか。読み進むうちに、次から次へと考えが浮かんでくるはずです。
各章末にまとめとコラム、巻末にはよく出る筋の索引付きです。
■著者からひとこと
矢倉・加藤流は私の愛用する戦法で、これまで何度も大一番で頼りにしてきました。加藤流の最大の特徴は、幅広い対応力と柔軟性が求められていることです。それだけに将棋そのものの力が試されているといえるかもしれません。本書がみなさんの棋力向上に役立ちますように。──森内俊之
■目次
プロローグ
第1章 専守防衛型 (全13テーマ)
第2章 棒銀戦法 (全7テーマ)
第3章 一歩交換型 (全15テーマ)
第4章 クイック一歩交換型 (全4テーマ)