■本書の特徴
1990年代半ばにゴキゲン中飛車が登場したことは、まさに大事件でした。ここから振り飛車の新しい歴史がスタートしたと言っても過言ではないでしょう。本書はそのゴキゲン中飛車の歴史を一気に繙き、最新形に至るまでの流れをきちんと整理したものです。
第1章では▲5八金右超急戦を掘り下げます。これまで数多くのタイトル戦などで戦われたこの戦型も、最近はとんと見なくなりました。何があったのでしょう? 公式戦はもちろん、羽生さんらとの研究会で得た知見も含めて、これまでの歩みをたどります。「歴史の本を読むような気持ちで楽しんでいただけたら」と著者。
第2章では近年、爆発的に広がった超速▲3七銀戦法の全貌を描いていきます。超速のメリットは何か? なぜ超速なのか? こうした基本的な疑問に答えつつ、ここから派生するさまざまなバリエーションを研究していきます。
ゴキゲン中飛車に対する作戦はこれだけではありません。第3章では角交換型(丸山ワクチン)や▲7八金型、居飛車穴熊など、さまざまな対策を解説します。
ゴキゲン中飛車を知るための、まさにバイブルのような本が誕生しました。
■著者からひとこと
ゴキゲン中飛車が登場して約20年、これまで多くの棋士によって研究が深められてきました。本書はその歴史をわかりやすくまとめたものです。公式戦だけでなく、研究会で経験した将棋も題材に使って、自分なりの考えをまとめました。居飛車党・振り飛車党を問わず読んでほしい本です。──村山慈明
■目次
第1章 ▲5八金右超急戦
第2章 超速▲3七銀戦法
第3章 さまざまな対策
コラム