■本書の特徴
規格外のロングセラーとなっている、ハンドブック・シリーズの最新刊です。
3手詰を解くことで3手一組の詰手筋を学んだ次には、その詰手筋をいかに使いこなすかがカギとなります。基本の詰手筋をそのまま使うことができない局面でも、ちょっと細工をすることで、その基本手筋が使えるようになる――5手詰にはそんな問題が少なくありません。いかに詰手筋が使いやすい局面を作っていくか、ということを考える作業を通じて、将棋に不可欠な〈読みの力〉を養いつつ、目の前の局面で考えるべき詰手筋はどれなのか、当たりをつけるセンスが磨かれていくでしょう。本書は、そうしたトレーニングを積む上で最上の一冊となっています。
シンプルな配置ながらあっと驚くような詰手順も随所に織り込まれており、初級者の方でも、詰将棋の楽しさを味わいながら将棋の実力アップに役立てること請け合いです。その一方で、有段者の方でも全問スラスラ解くのはけっこう難しいかもしれません。数問に一つ、しばし考え込んでしまうような箇所がありそうです。実戦、特に持ち時間の設定された対局では、その〈遅れ〉が命取りになりかねません。どんなときにも一瞬で見えるよう、何度でもタイムトライアルに挑戦してみてはいかがでしょうか。
もちろん、本書の活用法はこれらに尽きるものではありません。正解手順以外の手ではどうして詰まないのかを考えてみるのも力を養う上で役に立ちます。一見働いていないように見える駒の存在意義を考えてみるのも面白いでしょう。あなたに合った、いろいろなやり方で、本書をフル活用してみてください。